円壽山西善寺は、元和3年(1617年)に福井県で創建され、昭和47年に現在地に移転しました。
この客殿は、屋根の主要部を瓦葺き(濡縁部は銅板葺き)、外壁は白洲壁、内壁は主に聚楽壁など左官仕上げとし、各室に床の間を設えた数寄屋風建築として計画されました。
主な部屋は、南側の庭に面したホールを中心として、12.5畳と15畳の二間続きの広間、次の間を挟んだ15畳と16畳の三間続きの広間、および水屋を備えたお茶所で構成されています。また、来客数に応じて広間を隔てている襖を開け放すことにより、約28畳と約36畳の大広間として使用できるように考慮されています。
当工事においては、主要構造部の木材加工にはプレカット工法を採用してコストを抑えつつ、ホール内部柱・梁の大断面材仕口や茶室・書院の内部造作は、当社技能職による手刻みの加工により、質の高い建築空間を表現しています。 |