この門は、寛永2年(1625年)に寛永寺が本坊を建立した際、庫裡の門として建てられたものです(現在、東京国立博物館がある場所)。
その後、台東区下谷にあった盛雲寺に山門として移築されましたが、明治43年(1910年)、区画整理に伴い、伽藍共々現在の西巣鴨の地へ移築されたことで、戦災を免れました。
平成18年(2006年)に、盛雲寺伽藍建替に伴い、厳浄院へ移築されることになり、当社が移築・保存修復工事を担当させていただきました。工事のおもな内容は、腐朽した親柱の足元部の根継ぎ、控柱の新規交換、屋根下地の葺き替え、中央建具四方框材の交換などで、特に欄間は炭化が進んでいたため、意匠を忠実に写し取って新たに製作しました。
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